はじめに:いざ物件探し。そこで気づいたUR賃貸の「地域差」
移住先を福岡に定め、いよいよ住まい探しを始めました。
老後の固定費を抑えるため、礼金・仲介手数料・更新料がかからない「UR賃貸住宅」は、私にとって非常に魅力的な選択肢です。ところが、大阪から遠方の物件を押さえようと動いてみると、思わぬ落とし穴に直面しました。
同じUR賃貸でも、北海道と九州では「内覧」や「仮申込」のルールが全く違う。
これが、今回の衝撃的な発見でした。
北海道のURは、遠方からの移住者に優しかった
以前、移住候補地として北海道を検討していたときのことです。
北海道のURは、遠方に住む移住者にとって非常に安心できるシステムでした。ホームページで空室を見つけたら、「UR北海道ご案内窓口(北海道住まいセンター)」に電話一本で、その物件を「キープ(仮申込)」できるのです。
仮申込から1週間以内に現地へ行き、内覧を済ませて返事をすればOK。もし気に入らなくて断っても、別の物件でまた電話予約ができます。
大阪から飛行機を手配して向かう間も、「誰かに取られたらどうしよう」とヒヤリとすることなく、安心して物件を見に行ける。これは遠方からの移住者にとって、本当にありがたいシステムです。
福岡URのシビアな現実。「移動中の横取り」リスク
ところが、同じ感覚で福岡のURに臨んだ私は驚いてしまいました。
福岡(九州エリア)では電話での仮申込が一切できません。物件をキープするには、「現地の営業センター(店舗窓口)」での先着順申込のみです。
空室があれば自由に内覧できます。しかし、ここが最大の落とし穴でした。
福岡のURは完全な「早い者勝ち」。
ホームページで空室を見つけ、慌てて大阪から新幹線に飛び乗っても、移動中に現地の誰かが店舗へ立ち寄って仮申込を済ませてしまえば、その人が優先されます。最悪の場合、現地で部屋を内覧している最中に、別の人が店舗で書類を書き終えてしまえば、その部屋はもう借りられません。
時間と交通費をかけて福岡まで行き、内覧すらできずに無駄足に終わる、そんなリスクが、現実として潜んでいるのです。
回避策はあるけれど…立ちはだかる「店舗受付」の壁
この「早い者勝ち」を回避するため、福岡には独自のルートが存在します。
現地の不動産業者が提供している「URの仮申込代行サービス」を利用する方法です。遠方の移住者に代わって業者が店舗へ走り、物件を押さえてくれます。私が調べた限りでは、タイミングや物件の人気度によっては、このサービスか現地の知人の協力がなければ、内覧すら危うくなるケースもあるようです。
また、URの営業センターには「希望条件の空室が出たら連絡をくれる」という、実質的な空室待ち(ウェイティング)システムもあります。これに登録しておけば、連絡が来た段階で数日以内に内覧でき、横取りされる心配はありません。
「それなら安心だ」と胸をなでおろしたのも束の間、さらなる壁がありました。
その空室待ちの登録自体も、電話やネットでは申し込めず、一度「現地のUR窓口」へ足を運んで直接手続きしなければならないのです。
移住前に知っておきたい、タイムラグの懸念
さらに悩ましいのが、時間的なタイムラグです。
わざわざ福岡の窓口へ行って空室待ちに登録し、運よく連絡が来て内覧できたとします。しかし「少しイメージと違うな」と断った場合、また一から並び直しになります。人気の団地であれば順番待ちは長く、次の内覧まで数ヶ月のブランクが空くことも珍しくない、そんな実感があります。
九州へのUR移住を実現しようとすると、本格的な引越しの前に、手続きのためだけに何度も現地へ足を運ぶ「面倒くささ」と「時間的コスト」を、あらかじめ覚悟しておく必要があります。
おわりに:移住のリアルは、足を運んで初めてわかる
家賃の安さや街の利便性といった情報は、インターネットでいくらでも調べられます。しかし、公式サイトの文面からは見えにくい「地域特有のローカルルール」や、それに伴うもどかしさは、実際に動いてみて初めて肌で感じるリアルな壁でした。
スムーズにいかないことも含めて、これもまた人生を再設計するための大切なプロセスなのかもしれません。
URが全国にありますが、URと名乗っているだけで実質は地域毎のルールが存在します。北海道のURを借りたから、大阪のURで手続きを済まそうと思っても、駄目なのです。私たちからしたら同じURという会社なのにね。不思議です。
今後も理想の住処に出会うまでのリアルな道のりを、これからも少しずつ記録していこうと思います。

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