こんにちは。長年抱き続けてきた海外移住への憧れから一転、国内移住という新たな選択肢を選んだ私の体験談をお話しします。シアトル、タイ、マレーシアといった海外での生活を夢見ていた私が、なぜ最終的に北海道への移住を決断したのか。その背景と検討過程を振り返ってみたいと思います。
最初の夢:アメリカ・シアトルでの挑戦
ビジネスの足がかり
私のアメリカ移住の夢は、単なる憧れではありませんでした。シアトルでは現地パートナーと共に小さな会社を立ち上げ、実際にビジネスを展開していました。この経験は私にとって大きな財産となり、海外でのビジネス展開の可能性と課題を肌で感じることができました。
思い描いた移住生活
シアトルという街に惹かれた理由は明確でした。豊かな自然環境に囲まれながらも、Amazon、Microsoft、Starbucksといったテック企業や革新的な企業が集まる刺激的な環境。ここで「第二の拠点」を築き、日本とアメリカを行き来しながら新しいライフスタイルを実現する計画でした。
転機:COVID-19という予期せぬ壁
しかし、2020年に始まったパンデミックは私の計画を大きく狂わせました。国境封鎖、ビジネス環境の激変により、現地法人は閉鎖を余儀なくされ、長年温めてきた移住計画は白紙となってしまいました。この経験から、海外移住には予期しないリスクが常に伴うことを痛感しました。
撤退の決心を早くしたことは、今でも間違っていなかった。現在のアメリカの物価高を考えるとかなりリスクを感じます。
アジアへの憧れ:タイ&マレーシアという選択肢
タイへの深い愛着
シアトルでの計画が頓挫した後、私の関心はアジアに向かいました。特にタイには20回以上訪問しており、その文化、美食、そして何より人々の温かさに魅了されていました。タイでの生活は、より自然体で穏やかなライフスタイルを実現できるのではないかと考えていました。
マレーシアの多様性への憧れ
一方、マレーシアの多民族社会にも強く惹かれていました。マレー系、中華系、インド系の文化が共存する環境で、多様性に満ちた豊かな生活を送ることができるのではないかという期待がありました。
課題:為替リスクという現実
しかし、ここでも大きな壁が立ちはだかりました。急激な円安進行により、海外移住後の生活費と収入のバランスに深刻な不安が生じたのです。現地で得られる収入では、望む生活水準を維持することが困難になる可能性が高まりました。
国内候補地の徹底検討
為替リスクやパンデミック後の不透明感を受け、まずは国内で理想の移住先を再検討することにしました。以下の4都市に絞り込み、実際に現地を訪れて詳細な検討を行いました。
沖縄:南国の楽園か、現実の厳しさか
魅力: 美しい海と独特の文化、年中温暖な気候 懸念: 高い湿度と暑さへの適応、本土からの距離による不便さ
長崎:歴史と情緒の港町
魅力: 豊かな歴史と港町特有の風情、適度な規模で落ち着いた環境 懸念: 仕事の選択肢が限られる、経済活動の制約
福岡:バランスの取れた都市
魅力: 都市機能と利便性、多様な仕事機会、優れた食文化 懸念: 都市規模に比例した家賃水準、競争の激しさ(福岡であれば、現在住んでいる大阪でも変わりない)
北海道:自然と暮らしの調和
魅力: 四季を通じた美食、広大な自然、家賃の安さ 懸念: 冬期の厳しい寒さ、暖房費などの光熱費上昇
最終決戦:福岡 vs. 北海道
検討を重ねた結果、最終候補は福岡と北海道に絞られました。
福岡という合理的選択
福岡は確かに魅力的でした。都市としての機能性、仕事の多様性、そして何より暮らしやすさとアクセスの良さ。合理的に考えれば、福岡が最適解のように思えました。
しかし、大阪に住む私たちに福岡への移住は疑問符もありました。
北海道という感性的選択
一方、北海道には異なる魅力がありました。豊富な海産物・農産物による食の豊かさ、広い住居選択肢、そして何より家賃の安さ。自然と調和した生活を実現できる可能性がありました。
QOLが高くなるような魅力を感じました。
決断の瞬間:妻の「ワクワク感」という直感
最終的な決め手となったのは、意外にも妻の一言でした。「北海道にワクワクする」という彼女の直感的な発言が、私たちの運命を決めました。
ワクワク感の重要性
この「ワクワク感」は決して軽視できない要素でした。新しい土地で暮らしを開拓し、未知の体験を得られるという期待感。これこそが、移住生活を豊かにする最重要な要素かもしれません。
50代である私にとって、移住という選択は人生最後のチャンスでもあります。これ以上年齢を重ねると、居住地を変えることへの不安、健康面や体力面での懸念など、年々衰えていく要素が移住の障壁となってしまうでしょう。北海道の厳しい冬を乗り越えるだけの体力があるうちに、この新たな挑戦に踏み出したいという思いも、決断を後押ししました。
経済合理性との両立
同時に、北海道は経済的にも合理的な選択でした。家賃の大幅な抑制効果により、冬季の光熱費高騰を相殺してもなお、経済的な余裕を生み出すことができます。
まとめ:新たな人生の始まり
海外移住の夢がもたらした学び
海外移住の夢は実現しませんでしたが、その過程で得た経験や学びは計り知れません。ビジネス展開、異文化理解、そして何より自分自身の価値観を見つめ直す機会となりました。
Covid19でオンラインと言う新たな手段もありますので、海外とのビジネスも現地にいかなくても可能になりました。
国内移住という新たな可能性
国内移住という選択は、経済的安定性と心豊かな暮らしの両立を追求した結果です。海外移住とは異なる魅力と可能性があることを発見しました。
北海道での新生活への期待
北海道での新生活では、四季の移ろいを肌で感じながら、地域コミュニティへの参加や地元産業への貢献を通じて、新しい形の充実した人生を築いていきたいと考えています。
今後も、このブログを通じて北海道での実際の暮らしぶりや新しい発見をシェアしていくつもりです。移住を検討中の方や、ライフスタイルの大きな転換を考えている方の参考になれば幸いです。
人生は一度きり。理想を追い求める過程で見つけた新たな理想の地で、これからどんな物語が始まるのか、私自身も楽しみにしています。